vol.20 ISDAの極秘新兵器開発情報を入手!
前回の更新以降、私の安否を心配するメッセージがいくつか届けられた。とても有難いことだと思う。今、私よりも大変な状況に置かれているのは地球に住むすべての皆さんであり、それを守るべきドラゴノーツとパートナードラゴンたちである。それなのに私のことを気にかけてくれるとは……。こうして皆さんに無事を報告できることが、何よりの幸せだ。
だが実は、前回取り上げたISDAの造船所潜入から生還した後、私はもうひとつ命懸けのミッションに参加していた。捕まった仲間たちを救出せんとするドラゴノーツと共にISDAの秘密施設へと強襲をかけたのである。もちろん、簡単に返してもらえるわけなどなく、やむを得ず戦闘状態になってしまった。本来、情報官である私には、銃撃戦などは向いていないのだが……。それでも何とか足手まといにはならず、ドラゴノーツたちは激闘の末に仲間たちを救い出したのだった。
ここではまた別の大きな収穫があった。私は“情報官”としての本領を発揮して、施設内部においてハッキングを行い、様々な情報を収集することに成功。まずは、「アイギス」と呼ばれる対ドラゴン兵器について触れておこう。
これは、かつて地球高軌道で炸裂したType-X=通称「ドラゴンスレイヤー」とは違い、タナトスへ赴いて攻撃するのではなく、地球近傍でタナトスを迎撃するための兵器らしい。当然ISDA内でも機密度はトップクラスで、例えばドラゴノーツたちもある程度その存在を知ってはいたものの、私がISDAで潜入捜査していた時期に調べきることは不可能だった。今回はドラゴノーツの一人、ジークリンデ・バウムガルド嬢がセキュリティの防壁を突破してくれたおかげで、スムーズに情報を獲得できた。といっても、この施設には一部の実験データしかなかったようだが……。
それと同時に、気になるデータを発見した。これは兵器なのか、それとも……!?
といったところで、今回のレポートは終了。今後は、ドラゴノーツが一堂に会したこともあり、彼らの素顔と真実をお伝えしていきたいと思う。
彼らは星を滅ぼす悪魔ではない。血と肉を備えた人間である。そして、かけがえのない地球を懸命に守ろうとしてきた。その事実を皆さんに知っておいてほしい。
ドラゴノーツだけではない。ドラゴンたち自身も、人のために、地球のために働こうとしている。
ドラゴンのために人が、人のためにドラゴンが、それぞれ全力を尽くしている。
確かに彼らドラゴンの由来は地球外生物かも知れない。だが、我々に力を貸してくれる彼らは皆、この地球で生まれたのだ。そう、紛れもない「地球人」なのである。
どうか、彼らの未来に祝福があらんことを——。