vol.16 人類最大の敵・ドラゴンに弱点はないのか!?
今週に入っても、依然としてドラゴン関係の報道や雑誌の特集記事、テレビの特別番組の数は減少する気配すらない。何でも、小笠原シティでは復興の傍ら「ドラゴン饅頭」なる土産物も売られているらしく、人間の逞しさを改めて思い知らされる限りだ。そんな中、ドラゴン対策の要であるISDAのドラゴノーツ隊は月都市へと降り立った。彼らが現地で何をしようとしているのか、記者は引き続き彼らを追いかけてレポートする予定なので、次回以降を楽しみにしていてほしい。
それにしても、あのドラゴンとやらは、本当に生物なのかと疑いたくなることが時々ある。宇宙からやって来たのだから、地球の常識が通用しないといってしまえばそれまでなのだが、あまりにも我々の常識を凌駕しすぎでないだろうか? 第一、普通に考えて生物が生身で宇宙空間を飛び回るなんてことが、まず信じられない。しかも、旧冥王星付近から単体でも飛んで来られるのだ。人類が宇宙機を使っても、まだそこまで辿り着けないというのに! まったく、何を食ったらそこまで丈夫に育つのだろうか?
これがISDAの地球産ドラゴンのように、人類のために使役できる存在でいるうちはいい。今、我々が直面しているドラゴンの多くは、明らかに敵である。しかし、単独で宙間活動ができるような連中に本気で勝てるとは、到底思えない。今まで出現したドラゴンも、地球産ドラゴンによる攻撃か、Type-X弾のような大量破壊兵器をぶつけるかで、ようやく倒せたぐらいだ。毎回これでは、こちらの体力が持つわけがない。
考えれば考えるほど頭が痛くなるが、ドラゴンが生物であるという大前提からすると、やはり奴らも不死身ではあり得ないのである。どんな生物でも避けられない宿命——寿命があるからだ。
しかしまあ、相手の寿命が尽きるのを待つなんていうのも、何とも気が長い話だ。結局、打つ手がないのと同じこと。せめて、寿命間近のドラゴンにわかりやすい目印でも付いていてくれれば、少しは気休めになるのだが……。
やはりドラゴン対策では、ドラゴノーツ隊に奮起してもらうしかないようだ。