vol.14 迫り来るタナトスの脅威に世間の反応は……?
新型のドラゴンが出現し、小笠原は瓦礫の山と化した。これにより、ついにタナトスの脅威が現実のものとなったのである。それとも、タナトスの危険性を我々が見過ごしていただけだったのだろうか? いずれにせよ、今、世情は不安に満ちている——。
テレビではニュースやワイドショーがさっそく現地からの中継を盛んに行っている。新聞各紙は、こぞってスクープ写真を掲載している。インターネット上においても、小笠原とドラゴンの話題で持ちきりだ。人々はドラゴンの正体についてあれこれ推測を巡らせ、また今後の人類が取るべき道について熱い議論を交わす。まるで、大昔に流行った“恐怖の大王”が遅れてやってきたかのような状況だ。かの予言者も、さぞや苦笑しているに違いない。
ここまで人々を不安に駆り立てる主な原因は、ドラゴンという未知なる存在への畏怖の念であろう。そして、その正体を知っていて、何らかの対策を講じているであろうISDAの本部ビルも倒壊してしまった。しかも、「Dプロジェクト」の総責任者であるキリル・ジャジエフ氏が、タナトスを相手に戦争を仕掛けるかのような発言をしてしまっている。人類とドラゴンの全面対決となった時、我々の安全はどのように保障されるというのか?
我々一般市民にとって今必要なのは、ドラゴンと戦う武力ではない。あくまでも、この危機的状況を乗り越えるための正確な情報であり、対策だ。
しかし、肝心のDプロジェクト総責任者がこう軽率な発言を繰り返すようでは、残念ながらISDAもあまり当てには出来ない。ならば、必要な情報を得るためにも、どさくさ紛れにISDAにハッキングを試みてみようではないか!今後の展開をご期待いただきたい。
他のメディアでは報道されないドラゴンやタナトスの真実に、本紙はこれからも迫っていく。