vol.13 小笠原から奇跡の生還! 現地詳細レポート
今度こそは、本当に死ぬかと思った……。
突如飛来したドラゴンによる大破壊が行われ、壊滅寸前となった小笠原。そこに踏みとどまり、決死の取材を続ける記者の頭上で、空全体が眩い光に包まれたのである。
あまりの眩しさに目を開けることができず、さらに一瞬遅れてドオオオン!という爆発音が聞こえてきた。何が起こったのかはまるでわからなかったが、数秒の後に視界を取り戻すと、そこにはもう敵ドラゴンの姿はなく、破壊活動もぴたりと止んでしまった。どうやら、最大の危機は脱したらしい。天はまだ、記者を見放してはいなかったようである。
——あの閃光は一体何だったのだろうか!?
記者が独自に調べてみたところ、あれはどうやらISDAが作っていたミサイルだったらしい。名称は、Type-X弾だとか。もちろんISDAは軍事組織ではないので、ミサイルを建造した目的はドラゴン殲滅のためである。それにしても、あの爆発の規模だ。いささか大袈裟すぎやしないだろうか? 今回は上空で爆発してくれたから助かったようなもので、もし地表で爆発していれば小笠原は跡形もなく吹き飛び、それどころかアジア全土に甚大な被害をもたらしていたに違いない。記者も今頃、あの世でレポート記事を作成する破目になっていたところだ。まったく、非常識というか、何というか……。
だが、裏を返せば、あれだけの爆発力がないとドラゴンは倒せないということなのだろう。たかだか一匹の生物であるにも拘らず、だ。そのドラゴンの生命力も恐ろしいが、もっと恐ろしいのは、仮にドラゴンが大群で地球に押し寄せた場合、対抗手段としてType-Xが使用されることだ。
我々はこの先、どこに避難したらいいのだろうか!?