vol.08 ライナ・クロムウェルに直撃取材を敢行! あの密会の真相は!?
前回スクープしたライナ・クロムウェルとガーネット・マクレーンの密会。記者が推測するに、これはおそらく色恋沙汰の類ではないはずだ。もちろん、ライナファンの女性たちを安心させるための方便というわけではない。まがりなりにもドラゴノーツ隊の隊長とジルアード軍の指揮官との逢瀬である。お互いに組織を代表するかのような思惑があってのことと考えるほうが自然というものだ。
では、ドラゴノーツ隊とジルアード軍をつなぐ「線」とは一体何であろうか? そう、行方不明となったアマギ・ケイイチの部屋に残された繊維片である。もし、アマギ失踪の裏でガーネットが関与していたとしたら? そして、何者かがガーネットと内通し、ISDA内部の情報を漏らしていたとしたら……!? これは由々しき事態なのである。
そこで記者は月面都市内でライナが滞在するホテルを訪れ、直接本人から事情を聞きだそうと試みた。
結論から述べると、今回の取材では両者のつながりを示す確証は得られなかった。こちらが鎌をかけてもライナは顔色ひとつ変えることなく、話をはぐらかすのみだったのだ。さすがに百戦錬磨のエースだけはある。一筋縄では行かないということだろう。
しかし、このまま黙って引き下がっては読者諸氏に申し訳が立たない。記者は別ルートを当たって、とあるデータへのアクセスIDを入手することに成功した。情報の提供者によると、これは密会の現場においてライナがガーネットに渡したファイルのオリジナルデータだという。「
rezonance」のIDにてログインできるので、貴方もぜひアクセスしてご覧になってほしい。そこで目にする情報にどのような価値があり、どうしてジルアード側に渡さなければならなかったのかは、これから検討していかなければいけない最重要課題である。
今後、彼らがどのくらい月に留まるかはわからないが、地球に帰還するまでに一歩でも真実に近づいていきたい。