vol.05 ISDA記者会見で明かされた驚愕の真実
小笠原ターミナルシティを舞台とした一連の事件、或いは事故に関して、何らかの関連性が噂されているISDA。彼らの公式見解を発表する記者会見が、たった今終了したところだ。この会見の開始前、我々マスコミは事件の謎を解く手がかりをきっと得られるものと信じ、取材に臨んでいた。
しかし、登壇した対タナトス総合計画「Dプロジェクト」総責任者、キリル・ジャジエフ氏が発した言葉は、我々の予想の遥か上を行く突拍子もないものだった——!!
「事件に関しての説明を申し上げる前に、小惑星タナトスについてお話しさせていただきます。タナトスは小惑星ではありません。地球外生命体です。先日現れた巨大生物はこれと同種の地球外生命体であり、我々はこれをドラゴンと呼称しております」
キリル氏が語った内容を要約するとこうなる。さらに氏は、最初に現れたドラゴンと戦っていた別種のドラゴンが、ISDAにより生み出された地球産ドラゴンであること。そのドラゴンを利用してタナトスを攻撃するのがDプロジェクトの全容であることを、包み隠さずに公表した。
あまりに現実離れした内容に、会見の途中では記者席からキリル氏を罵倒する声も飛んだが、熱弁を振るう氏の迫力に圧倒され、やがてその言葉を信じざるを得なくなった次第である。
つまり、当日現場で目撃されたドラゴノーツ隊のスタッフは、キリル氏の言う地球産ドラゴンを運用するためにそこにいたということなのだろう。早くも住民からISDAへの不信の声が上がる中、さらなる詳細な説明がキリル氏、もしくはドラゴノーツ隊のライナ・クロムウェル氏などからなされるのを期待したいところだ。